パパへのメッセージ

パパになる人、なったばかりの人へ・・・

 

出産は大きな出来事。――うれしいこと、喜ばしいこと。
でも、身体の辛さや精神的な衝撃は大きいものなのです。
失うものだってあります。

 

母親は、生まれたばかりの小さないのちを「守ろう」「育てよう」と必死になっています。
環境の大きな変化に気持ちが追いつかないことも。

出産を機に、ホルモンの状況も激しく大きく変化します。

緊張が先立ち、うまくいかない。
様々なことに、いらだち、母親失格だと落ち込んだり。
ハイになったり、興奮したり。泣いたり怒ったり、落ち込んだり。

――普段の様子と全く違ってしまうかもしれません。

 

出産前後の女性は、出産を乗り切るために特殊なホルモン状況にあります。
デリケートで精神的に弱っています。正論で責めても逆効果です。


そういう特殊性を理解して、わからなくても寄り添う努力をしてください。

 

産後のお母さんは「全ての人から支えられていること」が必要です。
――でも、やっぱり、キーパーソンはお父さん。

 

あなたが、心から「ありがとう」と「お疲れ様」をいって、わかろうと努力をしていれば、母親としての自信をつけて必ず元の女性に戻ります。

元の女性というよりも、母親として輝くより素敵な女性に、です。

 

「家事をしてるから」「家事を手伝う人の手配をしたから」と安心してはいけません。
家事よりももっと欲しいのは「精神的な支え」です。
「家事をやってるからいいだろう」というわけではないのです。

「支えてるつもりになっている」のも危険。
支援が独りよがりにならないように、「何を支援してもらいたいか」に常に焦点をあててください。


――それぞれに「してほしいこと」は違います。

「家事をする」「子どもの世話をする」――まず第一歩。
世話の大変さがわかり、でも、子どもがどんどんかわいくなります。

出産後に、夫婦二人の家族は三人になります。
そして、それぞれが育った家庭を参考にしつつ、「新しい家族」をそこから作っていくのです。

「泣いてるから」「苦手だから」と、すぐにあきらめてはいませんか?

 

――出産は大きな出来事。
夫婦の信頼関係は出産後に強くなることもあります。
そこを目指すことは子育ての土台をつくるのと同じです。
「妻は何を望んでいるか?」――そこに常に焦点をあてて二人で大変な産後を乗り越えてください。ぜひ、何をしてほしいか聞いてください。

 

何をしたらいいかわからない、どうせ上手にできない、やっても泣かれる・・・いろんな理由があると思いますが、ちょっとずつ努力すれば必ずなれてきます。

泣いてるから誰かにお願いする、パパはママにそれができるかもしれませんが、ママは投げ出すことはできません。だから、どんどん子どもとの絆が強くなり、お世話も上手に、気持ちもだんだんわかるようになるのです。

 

パパの仕事は、ママを幸せにすること、笑顔にすることです。子どもが大事なら、ママを大事にすることです。

ママが幸せだと思ってないと、そのママに育てられている子どもは幸せでないからです。

 

 「ピンチはチャンス」

あの産後があったから、今の私たちがいる。そうおっしゃる夫婦も確実にいます。

こどもにとって、一番身近な人間関係がお父さんお母さんの関係・夫婦関係です。

意見の違いがあっても信頼しあっている夫婦を見て、子どもは人間関係を感じて学んでいるでしょう。

関係性は、双方の努力の上に作られていくものだと思います。

産後の特殊性を理解して、ぜひぜひ、しっかりと支えてさしあげてください。

子どもがかわいいなら、その仕事を最優先にしてください。